薄毛や抜け毛、髪のコシがないなど、髪の悩みは色々ありますよね。
髪の悩みを解消するためには、毎日行うヘアケアだけではなく、内側からのケアも大切。健康的な髪を作るために必要な栄養と、髪の悩みを解消するための栄養を合わせて摂取して、髪のインナーケアを充実させましょう。
今回は、髪に必要な基本的な栄養素と悩み別に有効な栄養、そして健康的な髪を育てるための食事とそれを補うサプリメントについて解説します。
1. 髪の悩み別、おすすめの栄養素
1-1. 髪に必要な基本の栄養素とは
【タンパク質】
髪の毛の主成分は、タンパク質のケラチンという成分。タンパク質は、主に肉、魚などから摂れる動物性タンパク質と、大豆食品に多く含まれる植物性タンパク質の2種類があります。
私たちの体では、およそ15パーセントのタンパク質が日々消費されています。髪だけではなく、内臓や皮膚もタンパク質を必要としているので、毎日の食事でしっかりタンパク質を補給しなければいけません。
タンパク質不足になると、髪には以下のような症状が現れます。タンパク質不足は全ての髪の悩みに共通する原因なので、髪の悩みに合わせた栄養素と一緒に必ず摂るようにしましょう。
- パサつき
- 抜け毛
- 栄養不足で髪が細くなる など
タンパク質摂取には、肉、魚、大豆食品などをバランスよく摂取することが大切です。
動物性タンパク質には、髪に必要なケラチンを作るために必要な必須アミノ酸が含まれているので、健康的な髪を育てるには欠かせない食材です。しかし、動物性タンパク質ばかりを摂ると、消化負担がかかるので、大豆食品のような植物性タンパク質も摂りましょう。
タンパク質を含む食材は、おかず食材として使い、ある日に動物性タンパク質の食材を使ったら、翌日は大豆系食品を使うように献立にメリハリをつけてください。
【タンパク質摂取にオススメの食材】
・肉類
鶏胸肉、ササミ、豚ヒレ肉、牛肉など
・魚類
しらす干し、イワシ、サバ、鮭など
・大豆食品
納豆、豆腐、凍り豆腐、厚揚げなど
・卵、乳製品
卵、牛乳など
1-2. 薄毛、抜け毛には亜鉛
亜鉛は、髪の主成分であるケラチンやキューティクルを保護するコラーゲンの合成に必要な栄養素です。亜鉛不足になると、ケラチンの合成が行われず、抜け毛が増えて薄毛になったり、丈夫な髪が生えにくくなります。
亜鉛は体内で消費されやすい栄養素で、以下のような生活習慣があるとより消費されやすく、亜鉛不足になってしまいます。
- アルコールの過剰摂取
- 喫煙
- コーヒーの飲みすぎ
- ストレス
- インスタント食品や加工食品の習慣的な摂取
亜鉛不足を防ぐために、亜鉛を豊富に含む食品を習慣的に摂取することと、サプリメントで不足分を補いましょう。生活習慣の乱れも整えて、亜鉛の過剰消費も抑えてください。
【亜鉛が豊富な食材】
- 牡蠣
- 煮干し
- 牛肉
- レバー
- 松の実
- 高野豆腐 など
亜鉛はビタミンCやクエン酸、リンゴ酸と合わせて摂取すると吸収率がアップします。牡蠣にはレモン汁を添えたり、お酢を使った調理をすると良いでしょう。
1-3. 髪にコシ、ハリがないならビタミンCやビタミンE
髪のコシ、ハリがなくなるのは加齢、頭皮の乾燥、生活習慣の乱れが原因です。特に頭皮の乾燥は、頭皮が固くなって血行不良を起こし、毛を作る細胞に十分な栄養が届かず、髪のコシやハリがなくなってしまいます。
さらに、生活習慣が乱れると、自律神経のバランスが崩れ、交感神経が優位に働くようになります。交感神経は血管を収縮させる働きがあるため、血行不良が悪化して、ますます髪のコシやハリが失われるのです。
髪のコシ、ハリを回復させるためには、頭皮の血行を改善させることが必要。頭皮マッサージや湯船で全身浴をして外側から血行を促進させ、さらに血行促進作用のある栄養を摂りましょう。ビタミンCやビタミンEは、血管を広げて血流を促進させます。特にビタミンEは、抗酸化作用が強いため、加齢による細胞の老化を予防する働きも期待できます。
【ビタミンCが豊富な食材】
- 緑黄色野菜
- 赤、黄色、緑ピーマン
- アセロラ
- ブルーベリー など
【ビタミンEが豊富な食材】
- アーモンド
- オイルサーディン
- 焼きたらこ
- うなぎ
- モロヘイヤ
- 赤ピーマン
- アボカド など
1-4. パサつく髪にはアミノ酸
髪の毛のパサつきがひどい人は、タンパク質と共にアミノ酸も不足している可能性があります。髪の主成分のケラチンは、18種類のアミノ酸から合成されてできる成分です。18種類のアミノ酸の中には、必須アミノ酸も含まれていますが、必須アミノ酸は体内では合成できないため、食品やサプリから摂取する必要があります。
必須アミノ酸:合計9種類。リジン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン、スレオニン
必須アミノ酸は、肉類、魚類、卵類、豆類に豊富に含まれます。しかし、加熱調理をすると含有量が減ってしまう上に、食品量が多いため、毎日不足なく摂取するには難しい栄養素です。そのため、毎日の食事に加えて、サプリメントで不足分を補給しましょう。
2. あわせて心がけたい食生活
○脂質、糖質の摂りすぎに注意する
脂質や糖質の多い食品はできるだけ控えましょう。
肥満の原因になるだけではなく、頭皮の皮脂が過剰分泌したり、血液がドロドロになって血管が詰まりやすくなります。血行不良になり、頭皮に栄養が届きにくくなるため、育毛環境が悪くなってしまうのです。
特に外食が多い方は、知らず知らずのうちに脂質や糖質を摂りすぎたり、加工食品を多く摂取しがち。できるだけ和食や野菜が多いメニューを選択しましょう。
○女性は体を温める食材を摂取して冷えを防ぐ
女性は男性より筋肉量が少なく、女性ホルモンの影響で体が冷えやすくなっています。体が冷えると、全身の血管が収縮し、血流が悪くなるので頭皮にも影響を与えるのです。
季節に関係なく、湯船に浸かる習慣を身につけ、体を温める食材を積極的に摂取しましょう。ウォーキングやストレッチなど、軽い運動をする習慣も大切。逆に体を冷やす食材を避けることも必要です。体を冷やす食材の中には、栄養豊富な食材もあるので、加熱調理して冷え作用を和らげてください。
【体を温める食材】
- 根菜
- りんご
- 生姜や唐辛子などのスパイス類
- 黒砂糖
【体を冷やす食材】
- 夏野菜
- バナナやパイナップルなどの南国野菜
- 白砂糖 など
○食事は就寝3時間前までに済ませる
食事やサプリメントで摂取した栄養は、主に睡眠中に吸収され、全身に運ばれます。このことから、髪にいい栄養を意識した食事は夜に摂取すると、排出されやすい栄養も無駄なく吸収できるでしょう。
ただ、夕食を摂取してすぐに眠ると、眠っている間も胃腸が活動し、エネルギーが胃腸に多く使われてしまいます。栄養を全身の隅々に行き渡らせるためには、胃腸をしっかり休めて栄養が運び込まれるエネルギーを高めましょう。
○アルコール摂取はほどほどに
アルコールの過剰摂取は、髪の主成分のケラチンを合成する亜鉛を大量に消費してしまいます。また、冷たいお酒を飲むことで内臓が冷え、血行不良の原因にもなります。
毎日お酒を飲む習慣がある方は、少しずつお酒を飲む日を少なくしたり、飲むお酒を熱燗にするなど工夫をしましょう。また、お酒を飲むときに食べるおつまみを髪の毛にいい栄養を豊富に含む食材に変えるのも効果的です。ビタミンEを豊富に含むアーモンドなどナッツ類がオススメです。
3. まとめ
髪の毛にいい食生活とは、一つの栄養をたくさん摂るのではなく、バランスよく摂取することが大切。まずはサプリメントに頼りすぎず、野菜とタンパク質豊富な献立を意識した食習慣を身につけましょう。
慣れてきたら、髪の悩みに合わせた栄養の摂取を心がけ、足りない分はサプリメントで補いましょう。ヘルシーな食習慣とサプリメントによる栄養補給でインナーケアをすることで、毎日行うヘアケアの効果も出やすくなるはずです。