アパレル企業の面接では、当日のコーディネートが重要な採用基準のひとつ。面接前にわざわざ「スーツではなく私服でお越しください」と企業側から言われることも少なくありません。では、どんなスタイリングをしていけば受かりやすいのでしょうか? 今回は面接での服装のポイントを詳細にご紹介していきます。面接へ行く前にぜひ参考にしてみてください。
1. アパレルの面接での服装の基本
最も大切なのは、そのブランドのイメージに近い服装をしているかどうかです。ブランドイメージとかけ離れた服装をしてしまうと「本当にうちのブランドのファンなのだろうか?」「ブランドをしっかりとお客様に伝えてくれるのだろうか?」という疑問を持たれかねません。また基本的なことではありますが、サイズが合っているか、しみやシワがないかの2点はいつも以上に確認しましょう。
2. アパレルの面接での理想の服装
では、ブランド系統ごとに理想の服装をご紹介していきます。
2-1. [1]高級ブランドの場合
2-1-1. 女性の場合
ラグジュアリーブランドの場合、特に百貨店勤務ですとスーツが好まれるようです。とはいえ、リクルートスーツはNG。黒系のジャケットにシャツを合わせ、モード系のコーディネートをしていけば間違いありません。
では、どんなアイテムを選べばよいのでしょうか? 当然、面接を受けるブランドのアイテムを身につけていくのがベストです。ただ、1着数十万円もするようなラグジュアリーブランドの場合は手が出ないこともあるでしょう。そんな時、ムリに購入する必要はありません。そのブランドのコンセプトやデザインに近いスタイリングをして面接に臨みましょう。
また、スカーフやアクセサリーなど、ラグジュアリーブランドの中でも比較的購入しやすい価格帯の小物を取り入れるのは賢い手のひとつ。好印象を与えられるはずです。
ピンヒールでハンサムなパンツスーツスタイル
スカーフを取り入れた小物アレンジスーツスタイル
2-1-2. 男性の場合
リクルートスーツ以外のスーツで面接に臨みましょう。そのブランドのスーツを選ぶのが最も良いですが、高価なものが多いため、持っていなければムリに購入する必要はありません。ブランドコンセプトやデザインに近いスタイリングをしましょう。特にシルエットや生地はブランドイメージが表現されやすい部分なので、迷ったらショップに出向いて販売員の着こなしを参考にしてください。
ネクタイやタイピンなどの小物は手ごろな価格のものが多いので、そのブランドのものを取り入れるとベスト。ヒゲは生えていてもOKですが、清潔感のあるスタイリングを心がけましょう。
大人の色気漂うスーツスタイル
爽やかなスリーピーススタイル
2-2. [2]ファストファッションの場合
2-2-1. 女性の場合
清潔感のある服装かつブランドイメージに合っていれば、スーツを着る必要はありません。とはいえ、カジュアルすぎるのはNG。白系のシャツ+キレイめのスカートなど清潔感のあるコーディネートがオススメ。トップスは襟付きで、パンツよりもスカートのほうが無難でしょう。アルバイトでも社員でも、ジャケットはあってもなくてもOKです。また靴もスニーカーではなく、パンプスなどヒールのあるものを選びましょう。
また全身揃えないまでも、安価なアイテムが多いファストファッションですから、そのブランドのアイテムを一点は身につけることをオススメします。
キレイめなシンプルコーディネート
柄モノを取り入れたジャケットコーデ
2-2-2. 男性の場合
アルバイトの募集であれば、スーツを着る必要はありません。トップスはポロシャツやシャツなど襟付きのトップスを選びましょう。ボトムスはチノパンやジーンズでも問題ないですが、カジュアルになりすぎないように注意が必要です。女性の場合と同様、安価なアイテムが多いファストファッションですから、一点くらいはそのブランドのアイテムをコーディネートに取り入れるとベストでしょう。
社員募集の場合は、ジャケット着用が基本。とはいえ、リクルートスーツは好まれないようですし、あまりに高価なスーツを選ぶと「ブランドイメージに合わない」と思われてしまうことも…。ジャケットにシャツ、もしくはTシャツ+チノパンのようなカジュアルな服装が最も良いでしょう。ただし、様々な年代の方がいらっしゃるファストファッションのショップの場合、ヒゲはNG。清潔感のある見た目を重視して選考をしているようです。
色味を取り入れたカジュアルジャケットコーデ
シャツ×チノパンのシンプルコーディネート
2-3. [3]セレクトショップや大手総合アパレルブランドの場合
2-3-1. 女性の場合
アルバイト・正社員にかかわらず、ブランドイメージに合っていて清潔感があれば、どんな格好でもOK。ガーリーなブランドならガーリーなファッションを、マニッシュなブランドならマニッシュなファッションをしましょう。
ジャケットは必要ありませんし、トータルコーディネートとして問題なければ革ジャンもありとのこと。リクルートスーツなどの没個性なアイテムではなく、自分らしいコーディネートを上品に着こなしていることがポイントです。どうしても悩んだら、面接前にショップに足を運んで、販売員のファッションを参考にしてみてください。
また他の場合と同様に、そのブランドのアイテムはぜひとも取り入れたいところ。セレクトショップであればセレクトアイテムもしくはオリジナルアイテムいずれかを、小物でも1点は取り入れましょう。
きちんと感が出るボーダースタイル
カーディガン×ブラウスのお手本コーデ
2-3-2. 男性の場合
アルバイト・正社員にかかわらず、ブランドイメージに合っていて清潔感があれば、スーツでなくても構いません。ただTPOを考えると、ジャケットを活用したコーディネートが無難でしょう。また、デニムブランドでない限り、ジーンズは避けたほうが良いです。その他、丈が短めのパンツ、ロールアップもできるだけ避けたほうがいいかもしれません。また女性の場合同様、悩んだら、ショップへ足を運んでみてください。販売員の中でもきちっとした格好の方を選んで参考にすると良いでしょう。
カジュアル感も残したジャケットスタイル
お手本にしたいツートーンコーデ
2-4. [4]ギャル、ストリートなど特徴のあるブランドの場合
2-4-1. 女性の場合
アルバイト・正社員どちらの採用の場合も、重視されるのはそのブランドイメージに合っているかどうか。むしろスーツはNGで、ギャル系ならギャル系のファッションをいかに自分らしく着こなしているかが採用のポイントになります。ショーパンや派手なメイクもOKです。
スキニーデニムのカジュアルスタイル
カーディガンを使ったガーリーコーデ
2-4-2. 男性の場合
女性の場合と同様、特に制限はありません。いかにブランドイメージと合った服装を自分らしく着こなしているかが大切です。そのため全身そのブランドで固めるよりも、他のブランドのアイテムと組み合わせながら、自然に数点アイテムを取り入れているほうが好印象のようです。
とはいえ、あまりにもカジュアルな格好だと不安だという方も多いかもしれません。その場合はダボダボのパンツやジーンズ、Tシャツは避けて、シャツとチノパンを合わせてみてはいかがでしょうか。また、前項目でもお伝えしていますが、迷ったらショップに足を運び、販売員のコーディネートを参考にしてみてください。
カジュアルダウンのジャケット×スニーカースタイル
きちんと感を残したデニムスタイル
3. ネイルや小物など服装以外の注意点
ネイルや小物も、ブランドイメージに合っていれば基本的には自由。たとえば、ネイルはブランドカラーと合っていると好印象でしょう。さらにアクセサリーであれば派手めのネックレスや指輪、バングル、ピアスも外さなくて構いません。むしろアクセサリーを全く身につけていないほうが、「本当はファッションに興味がないのでは?」と思われてマイナスポイントかも。
また、カラータイツや柄モノのタイツはトータルコーディネートができていればOK。とはいえ、あまりに個性的だとブランドイメージに合わないと判断されかねないので、ギャル系ブランド以外は避けたほうが無難といえそうです。
最後に靴ですが、パンプスはもちろんサンダルやブーツも、ブランドや季節に合っていればOK。ただスニーカーはあまりにもカジュアルな印象なので、避けたほうがいいでしょう。
4. アパレル面接でNGな服装
別企業のブランドロゴが大きくプリントされているアイテムは絶対にNG。本当に働きたいと思っているのか疑問に思われてしまいます。
また帽子はかぶってきても構わないですが、面接時には絶対に取りましょう。帽子をとって髪型が崩れるくらいなら、かぶらないほうが賢明かも。
ハイブランドのバッグに関しては避けたほうが無難。面接を受けるブランドのものであれば問題ありませんが、それ以外は生活が派手に見えるなどマイナス面も多いです。さらに面接で書類を渡されるケースも多いので、基本的にはA4サイズの紙が入るバッグを持っていきましょう。
最後に、いくつかの項目でも触れましたが、リクルートスーツは基本的にどこのブランドも好印象は持たないようです。
5. 面接でウケの良い髪型
ブランドによるというのが正直なところ。服装同様、ブランドイメージに合ったスタイルや色を選ぶのが良いでしょう。ただ女性の場合は、髪色が真っ黒だと他の業界が第一志望なのではないか?と思われる可能性もあるとか。詳細は以下の記事でご紹介していますので、ぜひご覧ください。
6. まとめ
さて、いかがだったでしょうか? アパレル面接突破のイメージは掴めましたでしょうか。アパレルの面接においては、その日のスタイリングが自己アピールにつながります。ぜひ、ブランドイメージに合った自分らしいスタイルを心がけましょう。